仕事として、接していることを。
マネージャーとして、
親身に気遣ってくれていることを。
それでもやはり、
この数か月間、
毎日のように接していたものが、
撮影が終了した途端(とたん)に、
急に途絶(とだ)えてしまったので、
その、週末のわずか2日間が、
とてつもなく長い時間のように
感じてしまっていたのだ。
当たり前にあるものほど、
失って初めてその大切さに気づく。
当たり前のものほど、
改めて意識することなど、
日常ではほとんどない。
麻未は、
AV女優である今の自分にとって、
マネージャーの久我山の存在が、
いかに大きいものかということを、
改めて、感じていたのだ ーーー
そんなことを、
ぼんやりと感じている麻未の視界に、
渋谷方面の山手線が飛び込んできた。



物語のあらすじ



とうじょうじんぶつ



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