第1707話

それまで、

麻未が接してきた大人の男たちは、


父親と学校の男性教師、

そして、

高校生の時少しだけバイトで働いた、

クレープ屋の店長ぐらいだった。


信頼も、安心も出来ない、

そんな男たちばかりだった。


でも何故か久我山だけは、

初めて会った時から、

それまで会った男たちとは、

どこか違うような気がしていた。


親子と言っても差し支えないほど、

久我山とは年の離れた麻未のことを、


ひとりの女性として尊重し、

上から威圧(いあつ)するわけでもなく、

下から媚(こ)びへつらうわけでもなく、

麻未自身にまっすぐ向き合ってくれた。


それは、

初めて渋谷の喫茶店で会った時から、

ずっと変わらないままだ。


お互いに慣れてきたからと言って、

馴れ合いのようになることもなく、


それでも、

麻未に何か困ったことがあったら、

すぐに手を差し伸べてくれる、


そんな絶妙な距離感を、

当たり前のように、

さらりと保ち続けてくれた。






物語のあらすじ


とうじょうじんぶつ


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posted by m☆ at 19:21Comment(0)日記