第1703話

それでも麻未は、

そういうことに対して、

何故か、

馴染(なじ)めなかった。


麻未にとっては、

誰かと繋がっていることに忙しすぎて、


自分のことを後回しにすることの方が、

何だかとても、居心地が悪かったのだ。


そんな「足枷(あしかせ)」ならば、

いっそのこと関わらない方が、

身も心も軽やかでいられると思っていた。


顔も、住んでる場所も知らない

ネットの中の「友達」たちより、


現実の自分と向き合うことの方が、

麻未には、安心できたのだ。


自問自答しても、

答えなど、出ないかもしれない。

正解など、見つからないかもしれない。

それも、分かっていた。


それでも、

どこからかコピペしてきただけのような、

「友達」からのお気楽なメッセージは、

麻未は、受け取る気持ちになれなかった。







新宿駅のホームの上、


正体の分からないこの喪失感は何なのか、

麻未にはやっぱり、

到底理解出来そうになかった。


自分の気持ちを整理するだけの言葉を、

麻未は持ち合わせていなかったのだ。







物語のあらすじ


とうじょうじんぶつ


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posted by m☆ at 19:16Comment(0)日記