男女問わず、若者も大人も皆、
スマホの画面を、
一心不乱に見つめている。
その、
手の中に収まるほどの
小さな機械の向こう側に、
幸せとか、
夢とか、
理想の世界とか、
そういうものが、
どこかに隠れているのだろうか?
皆、現実の世界にはない、
幸せとか、
夢とか、
理想の世界とか、
そういうものを、
我先(われさき)にと、
競うように探しているみたいだ。
だれもが皆、わき目も振らずに
せわしなくタップとスクロールを、
ただひたすらに繰り返している。
現実の世界には、
まるで関心がないようにさえ見えた。
その小さな機械の中に、
幸せとか、
夢とか、
理想の世界とか、
友情とか、
かけがえのない何かとか、
そんなものが、
あるわけがないのに。



物語のあらすじ



とうじょうじんぶつ



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