自分でも分からなかった。
ひと呼吸置いて、
気持ちを整えてから、
LINEをタップした。
がっかりした ーーーー
3通とも、通販会社からの、
タイムセールのお知らせメッセージだった。
久我山からのメッセージは、
まだ、届いていなかった。
麻未は、
メッセージを見ることもなく削除し、
手の中の無機質で小さな通信端末を、
すぐさまスリープモードに戻した。
23:12 ーー
小さな液晶画面のデジタル表示が
無表情に示す数字を確認してから、
麻未は、
スマホをふたたび鞄に突っ込んだ。
山手線の新宿駅のホームには、
日曜日だというのに、
夜の11時を過ぎても、
相変わらずたくさんの人がいた。
さすがにスーツ姿の
サラリーマンやOLらしき人は少ないが、
カップルや、グループに混ざって、
この時間だというのに、
子ども連れの家族まで、
老若男女、たくさんの人が群がっている。
もちろん、ひとりの人もいる。



物語のあらすじ



とうじょうじんぶつ



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