「それ、ww、」
「この下に少しいますけど、大丈夫です、」
「ふーん、…………、」
「改札すぐだし、しつこくして来ないので、」
「あ、うん、」
ルミネエストに直結した駅ビル。
駅前交番側の入り口から入ると、
直進してルミネエストに入る通路と、
JR東口改札に降りる階段がある。
階段を降りると、
ちょうど東口改札口の手前に出る。
一方で、東口改札口を出て、
正面に位置する階段のため、
改札口周辺に陣取るスカウトマンの、
たまり場にもなっているのだ。
ただ、このあたりのスカウトマンは、
派手に動きまわったり、
しつこくつきまとったりはして来ない。
駅前構内にある複数の監視カメラで
構内全体は常に監視されているし、
何より、改札口がすぐ近いので、
改札の中に逃げ込んでしまえば、
よほどのスカウトマンでなければ、
改札の中まではついて来ないのだ。
一般の人から見たら、改札前で、
待ち合わせしている人にしか見えない。
しかし、ヘアメイクの仕事帰り、
ほぼ毎日のように改札を通るめぐみには、
毎日のようにいる同じ顔の彼らを、
何となく覚えてしまっていた。
どこからどう見ても、
彼らはスカウトマンなのだ。



物語のあらすじ



とうじょうじんぶつ



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